最大2~3倍レンダリングが高速に?AfterEffectsのβ版にマルチフレームレンダリングが実装されてた件

こんにちは、サメDです。

本日はAfterEffectのβ版に待望のマルチフレームレンダリングが実装された、との噂を聞いたので、どれぐらい早くレンダリングできるのか検証していきたいと思います。

噂によると、書き出し速度が2~3倍速くなるとか…
サメD
それが本当なら、書き出しだけβ版でやる、みたいな運用の可能性も出てくるのかも

 

β版から導入されたマルチフレームレンダリングとは

blog.adobe.comによると、モーショングラフィクスの需要にこたえて、マルチフレームレンダリング機能を搭載したそうです。

サメD
ユーザーから最もご要望の多かった、とあるのでなんらか調査なりアンケートでの意見を集める機会があったんですね。

 

詳しくは上記公式のブログを見ていただくのが早いのですが、軽く説明していきます。

今回実装された「マルチフレームレンダリング」とは、並列処理で同時に2枚以上のフレームを書き出すことができる機能です。

これまでのAfterEffectはシングルフレームレンダリング、とも呼ぶべき「1F目を書き出した後に2F目に取り掛かる」といった書き出し方法を利用していました。ですがマルチフレームレンダリングは、「1F目とほかのフレームを並列処理して順次書き出す」といった挙動をするようです。

サメD
さめDはプログラマーではないので、上記の例えは正しいとは限りませんが、そんな感じに見えました
サメD
あれ?でも昔AfterEffectはマルチ対応になった、と聞いたことがあるんだけど
たぶんそれはマルチコアだと…今回はマルチフレームに対応ってことですね

 

ちなみに、マルチコアレンダリングにはCS5時代より対応しています。
こちらは1Fを複数のコア(CPUの中にある複数のエンジンみたいなの)で処理する仕組みです。

同じ”マルチ”だけど機能は全く違うので注意が必要ですね

 

実際どれだけ早くなるのか

長々と新機能について説明をしてきましたが、実際目に見えて効果があるかが問題です。
そこで今回は私サメDのPC環境でどれだけ高速化するか確認してみました。

ちなみに、今回の高速化はPCスペックがよければ良いほど加速されるようで、

  • 最小構成    → 1.2   ~   1.4 倍
  • ミドルスペック → 1.6 ~ 1.75 倍
  • ハイスペック  → 2.0 ~ 3.0   倍

というようになるそうです。

ハイスペックの必要条件が16コア以上のCPUとちょっと高めになっていますが、まあAEを触っている人で多コア積んでない人なんて居ないので、みんなきっとハイスペックですね
サメD
お、おう(メインPCが8コアのi9-9900kなので何も言えない)

 

今回のテスト環境

サメD
今回は諸事情によりサブPCを使ってます。この環境だと「ミッドレンジシステム」という扱いになっており、Adobe公式曰く、最大1.75倍とのことでしたがどうなることやら…

▽サメD PC環境

  • AMD Ryzen5 5600X
  • Geforce GTX1080
  • 16GB RAM
  • NVMe 500GB SSD(WD Blue SN550)

そして今回使用するのはAdobe公式で配布されていた、「AEPulseBenchmark」を利用しています。
こちらのaepは、マルチフレームレンダリング対応エフェクトのみで構成されているという、ベンチマークにはもってこいのプロジェクトです。

 

 

実際に自分のPCでもやってみたい!という方は上記ページ内の「Start Testing!」下、 benchmark project からダウンロードすることができます。

いざベンチマーク!

※カスタム設定「1920 × 1080 / QuickTime形式」にて書き出し

おお、これは意外な結果になりましたね。
サメD
「ミドルスペック」の範囲で1.85倍近く出ているとは驚きです。さすがRyzen。

 

結果は御覧の通り、1.85倍となりました。

サメD
SSDがNVMeなので、メモリが足りなくなっても遅くならなかったのかもしれませんね

 

レンダリング中のCPUの状況も比較してみましょう。

 

■AfterEffects β(ver.22.1)

■AfterEffects (ver 18.4)

これはまた、分かりやすい差がありますね
サメD
次期バージョンではより効率よくCPUが使えるようになっているみたいで、うれしいですね

 

これまでの内容だとβ版に今すぐ乗り換えてもいいレベルですが、このβ版にもやはり致命的な弱点があります。

冒頭にも述べたように「モーショングラフィクスの需要にこたえて」実装された機能なので、まだサードパーティー製のプラグインの対応が進んでいません。

あの…β版なので当たり前ですよね…
サメD
でも、地味にRedgiant系統でも、Chromatic Displacement や Optical Glowが対応してるのは注目ポイントですね

 

 

 

まとめ

今回はAfterEffectのβ版に待望のマルチフレームレンダリングが実装された、との事でレンダリングスピードを検証してみました。

 

10/22時点で、公式から出ている「マルチフレーム対応エフェクト」によると、

  • Matte > Mocha shape
  • Simulation > Particle Playground

以外のエフェクトについては、マルチフレームレンダリング対応となっています。すごい!

サードパーティー製のプラグインを一切使用していない場合でレンダリングの重さに悩んでいる人は一度試してみる価値はあるのではないでしょうか。

 

この記事があなたの制作活動に役立つと幸いです!

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サメD

主にデジタルでのモノづくり全般が好物なサメ。 AEとはもう8年近くの付き合いだが、「エフェクト」をほぼ使わずに作業するため、スキルが一向に上達する気配がないのが最近の悩み。 本サイトではWebサイトの管理、イラストを担当中。
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